さんまの産地で有名な「北海道産」と「宮城県産」。
どちらのさんまが美味しいのか気になりますよね。
結論から言うと「どっちも美味しい」です。
なぜなら、どちらのさんまも「同じさんま」だからです。
もしもこの事実を知らなければ、「〇〇産のさんま」みたいに産地だけを売りにした高いさんま を買わされるかもしれません。
そこでこの記事では、さんまの産地で有名な「北海道産」と「宮城県産」のさんまが同じ理由について解説させていただきます。
この記事を読めば、さんまの産地ともう一つ大切なことがわかるようになりますよ。
また七輪で焼くさんまが美味しい理由を知りたい方は、七輪で焼くさんまがウマい理由と七輪の選び方って知ってます?をご覧ください。
【さんまの名産地】「北海道産」と「宮城県産」のさんまが同じ理由!
さんまの産地で有名な「北海道」と「宮城県」
実は同じさんまなのです。
それは次の4つを知ればわかります。
- さんまは漁場が同じ
- さんまは回遊魚
- さんまの産地
- さんまの旬の時期
では、これら4つについて解説させていただきます。
北海道産と宮城県産のさんまは漁場が同じ
北海道産や宮城県産のさんまは図のあたりで漁獲します。
漁獲されたさんまは、北海道の港や宮城県の港に運び入れ(水揚げ)します。
つまり、漁場は同じでも水揚げ場が違うということです。
ですから北海道産でも宮城県産でも同じさんまなんです。
ちなみに、宮城県の女川は本州の水揚げ量日本1位。
これはたくさんある港の中でも、女川はさんまの取引価格が高いからです。
せっかく捕まえたさんまは高く売りたい。
そんな思いから漁師たちは一番高く買ってくれそうな女川にサンマを水揚げします。
もちろん値段が高いわけですから、質のよいさんまが集まってくるのも当然の話です。
さんまは回遊魚
北海道と宮城県のさんまが同じ理由はさんまが回遊魚だからです。
さんまの回遊ルートは次の通り。
九州や高知で生まれた後、暖流に乗って北上します。
そして北海道よりさらに北のオホーツク海で夏を過ごします。
栄養をたくわえ大きくなったサンマは産卵のために寒流に乗って南下し北海道から南は鹿児島まで。
つまり、北海道や宮城県で水揚げされるさんまは、オホーツク海で育ったさんまなのです。
ですから、北海道産でも宮城県産でも、オホーツク海で育った同じさんまなのです。
さんまの産地
北海道と宮城県のさんまが同じ理由は「さんまの産地」をみればわかります。
2016年さんま漁獲量の産地別ランキング10です。
順位 | 都道府県 | 漁獲量 | 比率 |
1位 | 北海道 | 51,156t | 44.9% |
2位 | 宮城県 | 14,562t | 12.8% |
3位 | 岩手県 | 12,543t | 11.0% |
4位 | 富山県 | 10,990t | 9.7% |
5位 | 福島県 | 7,972t | 7.0% |
6位 | 千葉県 | 5,210t | 4.6% |
7位 | 長崎県 | 3,784t | 3.3% |
8位 | 三重県 | 754t | 0.7% |
9位 | 静岡県 | 709t | 0.6% |
10位 | 鹿児島県 | 1t | 0% |
表を見ると、北から順番にさんまが漁獲されています。
つまり、オホーツク海で育ったさんまがだんだんと南に移動しているのです。
このことから、さんまが北海道産でも宮城県産でも同じということがわかります。
さんまの旬の時期
さんまの旬の時期を見ても同じさんまということがわかります。
さんまが水揚げされる時期は「8月下旬」から「11月」です。
時期 | 地域 |
8月下旬 | 北海道 |
9月 | 北海道 宮城 岩手 |
10月 | 宮城 岩手 福島 |
11月 | 千葉より南 |
旬を迎えたさんまは8月下旬に北海道から漁獲され、だんだんと南に向かって漁獲されます。
さんまが北から南へ移動している証拠です。
北海道産も宮城県産も同じさんまだという理由は
- 漁場
- 回遊魚
- 産地
- 旬
以上4つで証明することができました。
ちなみにさんまは9月中旬から10月中旬に美味しさのピークを迎えます。
この時期のさんまをスーパーで見つけたときは「即買い」しないとすぐに無くなってしまいますよ。
ただし10月中旬を過ぎてしまったさんまは、どんどん産卵していくので、脂ののりが悪くなっていきます。
旬を過ぎたさんまは塩焼きで食べても脂が少ないので、ジューシーさにかけます。
さんまは9月中旬から10月中旬に美味しさのピーク
さんまの産地偽装
2015年にさんまの産地偽装がおきました。
これはさんまの加工業者が、北海道産さんまと偽って台湾産、韓国産のさんまを使っていたのがバレました。
なぜ偽装をしたのか?
私の考察では、さんまの値段が高いからではないでしょうか?
年々さんまの価格は高くなってきています。
その理由は漁獲量が減っているからです。
では、なぜ減っているのでしょうか?
それは次の2つが理由です。
- 海外のさんま漁獲量が増えている
- 気象の変化
これらについて解説していきます。
海外のさんま漁獲量が増えている
日本で取れるさんまの漁獲量が減ったのは、海外の特に、台湾、韓国、中国のさんま漁獲量が増えているからです。
2013年から台湾は日本の漁獲量を超えトップに。
たくさんのサンマを漁獲したらさんまの数は減ります。
さんまの価格が上がるのも当然ですね。
気象の変化
年々、気象が変わってきていますよね。
いわゆる異常気象。
海の温度が上げれば、さんまも温度の低い海水を求めて、場所を変えなければなりません。
実際に、さんまの取れる場所が変わっているようで、どんどん沖に出て遠くなっているのです。
ところが、日本の漁師が乗っている小型船では遠くまで行くことはできません。
それに比べ、台湾などは大型船で日本の海域付近まできてさんまを大量に漁獲していきます。
つまり気象の変化によって、さんま漁の場所が遠くなり台湾にさんまを持っていかれるようになってしまったのです。
その結果、さんまの漁獲量が減り、値段が上がることに。
海外で水揚げされたさんまは冷凍され、日本に輸入されます。
年間で約5千トンほど。
さんまを偽装していた業者は、この冷凍サンマを加工して北海道産と偽って商品を販売していたのです。
北海道産さんまの値段が上がって利益が出にくくなった業者は安い輸入の冷凍さんまを使い利益をあげようとしたのではないのでしょうか?
冷凍サンマと生さんまの違いって?見分ける方法は?
冷凍さんまと生さんま(新さんま)の違いってわかりますか?
さんまの産地偽装が起きる今では、ぜひ知っておきたいですよね。
しかし、残念ながら冷凍さんまと生さんまを見分ける方法はありません。
それは、さんまの冷凍技術がすごいからです。
水揚げしたさんまをその場ですぐに冷凍したら、違いなんてわからないほど冷凍技術は進んでいます。
つまり、見た目からは冷凍か生か偽ってもわからないってことです。
ではどうしたらいいか?
それはもう信頼したお店から買うしかありません。
まとめ さんまは産地と時期にこだわれ!
さんまの最も美味しい時期は1年の中でたった1ヶ月だけ。
この時期になると色々なブランドさんまが出始めます。
- 青刀さんま
- 大黒さんま
- 一本立ち歯舞さんま
などなど。
でもこれらのさんまって結局は産地の違い。
なぜなら、ほとんどのさんまはオホーツク海で育っているからです。
つまり、どのさんまも一緒。
たとえ、北海道で取れようが宮城で取れようが、同じさんま。
重要なのは、いつ取れたかです。
さんまは「産地」と「取れた時期」にこだわる方が美味しいさんまを見つけれるのです。
産地しか見ていないと、
- 北海道産だけど10月の終わり
- 宮城県産だけど9月の初め
などなど、もう完全に旬違い!
産地だけ気にしているとハズレを引いてしまいますよ!
ですから、さんまは「産地と時期」にこだわってください。
そして私たちのために「産地と時期」を隠さず、マジメに取り組んでいる顔の見える業者から買うのが一番安心で、美味しいさんまを手に入れるコツです。
今の時代信頼が全て。
偽装なんてしたら全て終わりです。
偽装なんてするリスクを取るほうが危険なので、そんなお店を探す方が難しいかもしれません。
ですが、今後さんまの値段がどんどん高くなり、経営がうまくいかなくなった経営者がどんなことをするかわかりませんよね。
産地や時期をごまかされたら、あなたにはわかりますか?
私には全くわかりません。
ですから、信頼のできるお店から買うのが一番安心だと思いませんか?