鎚起銅器は一般的な銅製品とくらべ、手入れの方法が違います。
なぜなら特殊な着色をしているので、誤った手入れをすると色落ちしてしまうからなんです。
ですから正しい手入れのやり方を知っておく必要があります。
さらに銅には特有のサビ、緑青があります。
緑青は放っておくと広がってしまいます。
緑青が発生しないためにも手入れが大切です。
この記事では『鎚起銅器の正しい手入れ』『緑青の対処法』を書かせていただきました。
ぜひ参考にしていただけれたらと思います。
鎚起銅器の正しい手入れ
鎚起銅器の表面には、芸術性の高い着色が施されています。
その反面、内側は、銀メッキや、錫でコーティングいているだけのシンプルなもの。
ですから、表面と内側は手入れのやり方が異なります。
手入れを間違えると、色落ちするので気をつけたいですね。
また、手入れを怠ると緑青ができてしまいます。
ここでは、鎚起銅器の手入れの仕方3つを紹介させていただきます。
- 鎚起銅器の洗い方
- 表面の手入れ
- 内側の手入れ
では、それぞれ順に説明させていただきます。
鎚起銅器の洗い方
まずは、普段の鎚起銅器の洗い方について説明させていただきます。
鎚起銅器は、中性洗剤とスポンジで洗いましょう。
スポンジで洗う理由は、銅は柔らかい素材ですので、傷や変形、色落ちの原因になるためです。
洗い終えたら、柔らかい布で乾拭きして水気をしっかり落とすことが大切。
もし、水気を残すと黒い斑点や、緑青になります。
なお、黒い斑点や緑青ができても、使用上問題ありません。
でも、黒い斑点なんかない方が良いですよね。
水気はしっかり拭き取りましょう。
- 金たわし、クレンザーで洗ってはいけません。
- 洗浄機、乾燥機にかけてはいけません。
鎚起銅器の表面の手入れ
手入れ方法はシンプル。
柔らかい乾いた布で拭き磨きをするだけです。
できれば毎日、磨いて下さい。磨いてあげると次第に重厚な艶がでてきます。
色の変化を楽しみましょう。
ただ、長期間手入れできない時もあるはずです。
その時は緑青(サビ)が発生しないよう、新聞紙にくるみビール袋にいれておきましょう。
以下のもので磨いてはいけません。
- クレンザー
- 酢
- 塩
- クエン酸
- 歯磨き粉
鎚起銅器の内側の手入れ
鎚起銅器の内側には錫、銀メッキなどでコーティングされています。
錫や銀メッキはサビることはありませんが、しばらくすると黒ずんできます。
黒ずんできたら乾いた布に歯磨き粉をつけて、磨いてください。
緑青の対処法
銅は必ず、緑青(サビ)が出てきます。
緑青は、体には無害なので使用上、問題はありません。
ですが、無いに越したことはありませんね。
もし緑青が出てしまったら、慌てず次のやり方を行い、こそげ落としてください。
- 爪でこそぎ落とす
- 爪楊枝でこそぎ落とす
まずは、爪でこそげ落としてみてください。
爪では届かない細かな所は爪楊枝を使います。
緑青は放っておくと広がってしまうので、見つけたらすぐ取り除いてくださいね。
- 歯磨き粉などで研磨してはいけません。
理由:色落ちの原因になります。
銅ってどんなメリットがあるの?
ここでは、銅の素晴らしい効果を3つ紹介させていただきます。
- 体に良い
- 殺菌効果
- 熱伝導率
体に良い
銅は体に良いと言われています。
それは、銅は体の中の鉄分を助けるからです。
鉄分を助けると、血中のヘモグロビンが増えます。
その結果、貧血がなくなるのです。
ですから、銅は体に良いんですね。
鉄分だけでは不十分、銅も一緒に取りましょう。
殺菌効果
銅には殺菌効果があります。
ある実験で銅、アルミ、ステンレス、それぞれ板の上に大腸菌やブドウ球菌をつけたらどうなるのか調べたそうです。
結果はアルミやステンレスは、時間が経てば、菌が繁殖していきました。
一方、銅は7時間以内に菌は死滅したのです。
このことから殺菌効果があることがわかりました。
銅製の一輪挿しの花が長持ちするのは、殺菌効果があるからなのです。
ちなみに、花瓶の中に10円玉を入れるだけで、花は長持ちしますよ。
ぜひやってみて下さい。
熱伝導率
銅の熱伝導率は、鉄の5倍、ステンレスの25倍です。
湯沸かしなら銅製品だとすぐに沸きます。
冷たい飲み物ならコップに注ぐと、たちまちキンキンに冷えます。
このキンキンに冷えたコップの口当たりが最高ですよね。
飲み物が美味しく感じます。
まとめ
『鎚起銅器の正しい手入れ』と『緑青の対処法』を紹介させていただきました。
鎚起銅器の正しい手入れ
- 鎚起銅器の洗い方
- 表面の手入れ
- 内側の手入れ
緑青の対処法
- 爪でこそげ落とす
鎚起銅器は高級品です。装飾にもこだわりがあります。
一般的な銅製品と同じように扱わないよう、注意をして下さいね。
孫の代まで使える鎚起銅器、大切に育ててみてはいかがでしょうか?